幼いころから、彼女は『なぜ』を持っていた。
「なぜ、私だけ飛ぶことができないの・・・」
大空へ羽ばたいていく学友たちを見送りながら、
その優美に飛びたってゆく姿を見送りながら、
彼女は、自分だけが、なぜ飛べないのかを考えていた。
皆が飛び立ち一人ぼっちになった彼女は、
来る日来る日も「なぜ」を繰り返していた。
そして、その考えは、長い時間、続きました。
なぜ、羽が小さいと飛べないの…
なぜ、羽が大きいと飛べるのか…
なぜ、この街は宙に浮いているの…
なぜ、街の外には巨大な生き物がいるのか…
なぜ、なぜ、なぜ。
いつしか『なぜ』が、彼女の友人となっていった。
多くの者たちが次に何をしようかと考える中、
彼女だけは「どうしてだろう？なぜなのか？」を考え続けていたのです。
そして彼女は、その答えの欠片を、少しづつ少しづつ、見つけていったのです。
気がつけば、彼女の「なぜ」は、この世界全体にまで及んでいました。
なぜ、海は世界を覆っているのか…
なぜ、風は吹くのか…
なぜ、我々の都市の外は危険なのか…
なぜ、我々はその危険と闘わねばならないのか…
なぜ、わたしたちはそれをトビヲと呼ぶのか…
そして、彼女は気づいたのです。
わたしたちを取り巻く世界は、どこかおかしい。
まるで一定の法則で”形造られた”ようだ…
と。
大人になった今、彼女は、天使の国の博士「ハート氏」として活躍しています。
今、知っていることの全てを人々に、まだ話してはいないけど、人々に聞く準備ができたその時は、話してくれるそうです。
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《イラストメイキング動画》
追記：
スマホ壁紙にしました
