近衛兵のラフ。
軌道都市外縁である第九区は、中央政府直轄の軌道要塞であり、その統括者は中央政府の近衛兵団から選出されるのが慣わしである。
近衛兵団には名家の氏族が多く、エリート意識の高い者達で構成されています。
九区は、軌道都市外周に位置する最も危険な地区であるため、派遣された彼は父親を失ったか、政治的に追い込まれた家系、といったところなのだろう。
もっとも、中央政府から派遣される彼らが、実際に前線で武器を持って戦闘に参加することはない。
作戦行動の決定や命令が、彼らの任務である。
時折、現場の兵達へ酷い言葉を放つことがある。
「実践経験もなく、とどのつまりコンプレックスがひどいのだ、もっとも当人たちにその自覚はない」というのが、もっぱら現場兵士達の見解である。