ハート氏は最近、夢をよく見る。
それは、とてもリアルな夢だ。
夢の中では、まるで実際に時が経過しているようで、
今日は昨日のつづき明日は今日のつづきというように、
毎晩続きを見るのだった。
昨夜の夢は、飛ぼうとするけど飛べない夢だった。
『わたしは飛ぼうとするけど飛べない、
その時すごく知ってる感じのする子が助けにくる。
でも、誰だっかな・・・』
夢の中では、飛べないことを理由に守護分隊から退役させられるハート氏。しかしその後、研究者として成功していった。残念なことは、ドローンの実験事故で、助手を庇って亡くなってしまうことだ。
夢の中で死ぬゆく中、ハート氏はまたあの夢を見ていた。
『堕ちてゆく・・・
まただ、この助けようとくる子・・・
懐かしい人な気がするけど、
よく思い出せない。誰だろう・・・』
その次の晩からは、もうその夢は見なくなった。
「あの夢はなんだったのだろう。
あと、助けに来たあの子は誰だろう・・・
ガッちんなら”私”はわかるはずだしなぁ。」